現在、メーカー製、自作を問わず小型のパソコンが増えてきています。少し前は男性でも持ち上げるのに苦労するほどの大きさと重さだったパソコンが、現在では女性が一人で移動させることもできるほど小型化されています。小型化が進む背景には、三つの理由があるのです。一つは、パソコンパーツの発熱量の低下です。
CPUやグラフィックスカード、電源といったパソコンの根幹を成すパーツは高性能、高消費電力が当然でした。しかし、開発メーカーの技術革新とノウハウの蓄積、さらには近年の世界的な省エネ指向に後押しされたこともあり、これらのパーツが全体的に低消費電力化されているのです。特にCPUは、動作クロックを伸ばすのではなくコア数を増やすという方向に進歩したことで性能アップと低発熱化が同時に進み、低消費電力化と処理能力の向上を同時に実現したのです。また、ディスプレイへの出力やサウンド機能など、それぞれ個別の機器が必要だった機能をCPUやマザーボードに集約したことも小型化に拍車を掛けています。
パソコン内部に組み込まなければならないパーツが減ったことで、ケースのサイズを小さくすることに成功しました。さらに、「小型化する」という明確な目的を持ったメーカーの試行錯誤が成功したことも大きな理由の一つです。廃熱を効率的に行う内部レイアウトや、必要な機能と不必要な機能を切り分けて不必要なものは排除するといった大胆さが功を奏し、小型化に大きく貢献しているのです。
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